鴇色 × 銀鼠 × 留紺

バレンタインの「贈答文化」を和色で表現してみました

2月といえばバレンタイン!チョコレートをはじめとするギフトが行き交うこの文化は、今や日本独自の「大切な人へ気持ちを贈る」スタイルへと美しく進化してきました。
今回の配色では、この現代の贈答文化を、和の伝統色でしなやかに整えることをテーマに構成しています。華やかさの中にも落ち着きがあり、日常のふとしたシーンに溶け込むような、美しい気配りを感じさせる色調が、デザインを優雅に引き立てます。

スクロールできます
RGBCMYKHEX
RGBCMYKsRGB
鴇色2441791945%40%15%0%#F5AAAB
銀鼠18118218435%25%25%0%#B2B3B4
留紺28182184100%95%50%15%#1c305c

鴇色(ときいろ)

野生のトキは、ちょうど2月頃から本格的な繁殖期(ペアリングの時期)を迎えます。このときトキは、気に入った相手に対してくちばしで「小枝」をそっとくわえて手渡したり、相手の羽をやさしく整える「羽づくろい」をして求愛のコミュニケーションを始めます。
これは、現代の私たちが2月にチョコレートやギフトに想いを託して贈る「バレンタインの贈答文化」と、自然界のレベルで美しくシンクロしています。

銀鼠(ぎんねずみ)

バレンタインの甘いときめきをそっと包み込み、大人のスタイリッシュな贈答へと昇華させるベースには「銀鼠」を選定しました。
実は2月、繁殖期を迎えた鳥のトキは、パートナーや未来の家族を外敵から守るために、自らの美しいピンクの羽に分泌物をこすりつけ、落ち着いた灰色(化粧色)へと身を染め変えます。
この銀鼠は、自分を主張するのではなく「相手を主役に引き立て、静かに守る」という、バレンタインの本質である究極の思いやりと気配りを象徴する色なのです。海外の洗練された雑誌のように、このグレーの細い線や文字で紙面を構成することで、現代の大人のライフスタイルに馴染むニュートラルな品格が生まれます。
江戸中期に「四十八茶百鼠」の一つとして流行し、派手さを抑えて知性を際立たせる「粋」の象徴として愛された、現代の日常にも寄り添うグレーです。

留紺(とめこん)

全体の甘さをピシッと引き締め、凛としたエッジを効かせるアクセントには「留紺」を添えました。
淡い銀鼠と甘い鴇色の組み合わせに、深いネイビーをピンポイントで効かせることで、デザインに大人っぽい知性と高級感をもたらします。
これ以上濃く染められない藍染の到達点であり、江戸時代には「これっきり」という意味を込めて愛された、強い意志を持つ伝統色です。

配色の役割

・銀鼠(和らぎ・基盤):ヘッダーの繊細な線や文字、背景のニュアンスに使用し、都会的で洗練されたスタイリッシュな質感を担保します。

・鴇色(親愛・主役):メインのモチーフとして、バレンタインが持つ華やかさと、大切な人を想う温かな心の気配りを表現します。

・留紺(格式・エッジ):アクセントとして重要な部分にポイント使いすることで、全体を品格高く引き締め、デザインに強固な軸を通します。

よかったらシェアしてね!