3月の静寂、利休の美学を纏う「わび茶の配色」で作ってみました。
3月は、冬の寒さが和らぎ、心浮き立つ春の兆しを感じる季節ですね。
しかし、そんな華やかな空気の中で、あえて自分自身と静かに向き合う時間も大切にしたいものです。
古くから日本では、3月28日を茶聖・千利休の命日「利休忌(りきゅうき)」とし、その「わび茶」の精神を偲んできました。豪華な装飾を削ぎ落とし、質素なものの中に無限の広がりを見出す——。
この配色では、そんな利休が愛した「引き算の美学」を、現代の暮らしに溶け込むような落ち着いた色彩で表現できないかと考えてみました。
| RGB | CMYK | HEX | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| R | G | B | C | M | Y | K | sRGB | |
| 利休鼠 | 131 | 138 | 124 | 15% | 0% | 20% | 55% | #838A7C |
| 団十郎茶 | 159 | 86 | 58 | 0% | 65% | 75% | 40% | #9F563A |
| 抹茶色 | 197 | 197 | 106 | 20% | 0% | 60% | 25% | #C5C56A |
メインカラー:利休鼠(りきゅうねずみ)
メインに配したのは、千利休が好んだとされる「利休鼠」です。
わずかに緑みを帯びたこの灰色は、派手さを嫌い、控えめであることを美徳とした「わび・さび」の美意識を象徴しています。
周囲の色と馴染み、主張しすぎることなく全体を一つの調和へと導くこの色は、他者や環境との「和」を重んじる日本的なバランス感覚を表現するのに欠かせません。
サブカラー:団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)
サブカラーには、大地のような安定感を持つ「団十郎茶」を選定しました。
この色は、茶室の壁に用いられる「聚楽土(じゅらくつち)」の質感を想起させる赤茶色です。
歌舞伎の市川團十郎家(成田屋)の家号の色としても知られていますが、その根底にあるのは、飾り立てない「素」の美しさ。画面全体をどっしりと支え、誠実で揺るぎない信頼感を与えてくれます。
アクセントカラー:抹茶色(まっちゃいろ)
アクセントには、茶の湯の主役である「抹茶色」を添えました。
静まり返った茶室の中で、茶碗に点てられた一服の抹茶は、唯一の「生命力」と「もてなし」の象徴です。
落ち着いたトーンのベースとメインの中で、この緑が視覚的なフックとなり、瑞々しい感性と、一期一会の出会いを寿ぐ心を吹き込みます。
配色の役割
・団十郎茶(土台・重厚感):画面の底を支える「重み」となり、歴史と信頼の裏付けを与えます。
・利休鼠(ベース・調整):中間色として、主役と土台を繋ぎ、デザイン全体の彩度を心地よくコントロールします。
・抹茶色(主役・フック):視覚的なアクセントとなり、静寂の中に「生」の躍動感を付与します。

