柿の実が見せる3つの表情をイメージした配色をまとめてみました
秋になると、軒先や庭先に実った柿が少しずつ色づき始めます。
青みの残る実がやがて橙色へと変わり、収穫の頃には鮮やかな色合いで秋の訪れを知らせてくれます。
柿は9月から10月にかけて旬を迎える、日本の秋を代表する果実のひとつです。
古くから食用として親しまれてきただけでなく、柿渋という染料や塗料としても利用され、人々の暮らしを支えてきました。
今回の配色では、そんな柿が見せるさまざまな表情を3つの伝統色で表現してみました。
熟した実の鮮やかな橙色。
その色をやわらかくした淡い赤橙色。
そして柿渋から生まれる深い赤褐色。
ひとつの果実が持つ色の移ろいを、そのまま配色としてまとめています。
柿色
柿色は、熟した柿の実を思わせる鮮やかな橙色です。
秋の日差しを受けて色づいた柿の実は、遠くからでも目を引くほどの存在感があります。
現在では「柿色」と聞くと、この果実の色を思い浮かべる方も多いかもしれません。
実は柿色という名前には複数の系統があり、果実の色を指す場合と、柿渋染めの色を指す場合で異なる色合いが存在します。
今回の配色では、収穫を迎えた柿の実そのものを表す色として選びました。
秋の実りを象徴する、配色の主役となる色です。
洗柿
洗柿は、柿色をやわらかく薄めたような淡い黄赤色です。
名前の由来には諸説ありますが、どこか水で洗ったような軽やかさを感じさせる色でもあります。
まだ色づききる前の柿や、やわらかな光を受けた柿の実を思わせる色合いで、柿色の鮮やかさとはまた違った穏やかな魅力があります。
今回の配色では、熟した柿を表す柿色と、深い柿渋色との間をつなぐ色として取り入れました。
鮮やかさと落ち着きの間にある、やさしい中間色として全体をまとめてくれます。
柿渋色
柿渋色は、渋柿から採れる柿渋を思わせる深い赤褐色です
柿渋は古くから日本で利用されてきた天然素材で、布や紙、木材などに塗ることで防水性や耐久性を高める目的でも使われてきました。
鮮やかな果実の色とは異なり、落ち着いた渋みを感じさせる色合いが特徴です。
同じ柿という植物から生まれた色でありながら、果実の橙色とはまったく異なる表情を見せてくれます。
今回の配色では、柿色と洗柿の明るさを引き締める色として取り入れました。
秋の実りだけでなく、暮らしの中で受け継がれてきた柿の文化を感じさせる色でもあります。
配色として
熟した柿の鮮やかな橙色。
やわらかく淡い赤橙色。
そして柿渋から生まれる深い赤褐色。
3色はいずれも「柿」というひとつの植物から生まれた伝統色です。
果実が色づく過程を思わせる柿色と洗柿。
そして、その実から生まれる柿渋色。
ひとつの植物が持つ多彩な表情を、そのまま配色に落とし込んでみました。
鮮やかさだけではなく、どこか懐かしさや落ち着きも感じられる組み合わせです。
秋の収穫をテーマにしたビジュアルや、和食・農産物・地域ブランディングなど、実りの季節を表現したい場面にも活用しやすい配色です。
参考文献
- 柿色(かきいろ)|伝統色のいろは
https://irocore.com/kaki-iro-2/ - 柿渋色(かきしぶいろ)|伝統色のいろは
https://irocore.com/kakishibu-iro/ - 洒落柿(しゃれがき)|伝統色のいろは
https://irocore.com/sharegaki/ - 柿色|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/柿色

